パリ協定を可能にした要因

パリ協定が成立した直後に、ある新聞に「なぜ今回合意が可能にだったのか?」というインタビューを受けたのですが、私は、「今回の国際交渉のホスト国であったフランス政府の入念な準備や巧みな交渉の進行に加えて、2つの要因があると思います」と答えました。
1つには、温暖化の被害や影響が明白になり、世界的な危機感が生まれてきていることです。そして、もう1つは、低炭素化のためにはエネルギー転換(化石エネルギー→再生可能エネルギー)が必要だが、先進国でも途上国でも、エネルギー転換が進んでおり、大きく経済を損なうことなく、低炭素化ができるという見通しが立つようになってきたことです。
(世界中で展開中のエネルギー転換と日本の現状について、簡単に読める岩波ブックレット『データでわかる 世界と日本のエネルギー大転換』を出しましたので、ご興味のある方はぜひどうぞ!)
このCOP21でのパリ協定が、「人類が瀬戸際で何とか踏みとどまり、世界全体が真剣に対策をとりはじめ、最終的に温暖化の悪化を許容できる範囲でストップできた転換点になったね」と、後世に記憶される実効性のある国際合意になることを願ってやみません。

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