現在の主要国の削減目標は?

現在、パリ協定の下で、主要国はどのような削減目標を掲げているのでしょうか。 世界をリードしているEUは、「2030年までに温室効果ガスを90年比40%削減」という目標を掲げています。アメリカは現在のところ、「2025年までに05年比26~28%削減」です。日本の目標をご存じでしょうか。「2030年度までに、13年度比26%の削減」です。  途上国はどうでしょう。中国は、「2030年までにGDP当たりのCO2排出量を2005年比60~65%削減し、2030年前後にCO2排出量をピークアウトさせる」という目標を掲げています。インドも原単位での目標です。「2030年までに、05年比、GDP当たりのCO2排出量を33~35%削減」。ロシアは、「2030年までに90年比70~75%に温室効果ガスを抑制する」という目標を立てています。

3-6 各国の温室効果ガス削減目標

(出典:全国地球温暖化防止活動支援センター すぐ使える図表 3-6 各国の温室効果ガス削減目標より(国連気候変動枠組条約に提出された約束草案より抜粋))

パリ協定の課題の1つは、このように各国の目標は掲げているものの、それを足し合わせても、2℃以内の気温上昇では抑えられないということです。そこで、パリ協定には、目標を改善していくサイクルの仕組みが組み込まれています。 具体的には、2015年に、2025年もしくは30年の削減目標案を各国が提出した後、対話をつづけ、2020年までには2030年の目標を提出するということになっています。現在は、目標年が2025年(アメリカなど)と2030年(EUや日本など)と統一されていませんが、このときに5年ごとに収れんさせていくとことになっています。 そして、その後は5年ごとです。2025年に向けて2035年の削減目標案を提出し、2030年に向けて2040年の削減目標案を提出するというスケジュールです。このように5年ごとという短いサイクルで目標を改善していくことで、なるべく大幅な削減を進めようという考え方なのです。

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